アキバのつぶやき

2025.06.03

さようなら、ミスター

 今朝は、大津市で売買契約と請負契約締結の為、売主様のお宅に直行しました。無事滞りなく売買契約の締結が完了しましたので、ふと、リビングのテレビに目を移しますと、長嶋茂雄氏の訃報の画面が流れていました。仕事中ですので、声をあげることが出来ませんでした。

 国民的な人気を誇り、「ミスタープロ野球」として多くの人に愛された、元プロ野球選手の長嶋茂雄さんがお亡くなりになったとのことです。

報道によりますと、長嶋さんは3日午前6時39分に、肺炎のため死去されたそうです。あまりにも突然のことに、ショックを受けている方も多いのではないでしょうか。
 長嶋さんは、現役時代はプロ野球・巨人の名三塁手として活躍され、引退後も巨人監督や、アテネ・オリンピックの日本代表監督も務められました。そのプレーや采配、そして何よりもその明るく情熱的なお人柄は、常に私たちの心を惹きつけ、多くの感動を与えてくれました。球場のアナウンス、「三番サード、ながしま!」その響きは、今でも心に残っています。記憶に残る選手という事で、天覧試合にさよならホームランを放ったり、派手なパフォーマンスで内野ゴロを処理する姿がとても優雅で今でも鮮明に覚えています。
 また、国民的な人気を誇った存在であり、野球ファンはもちろんのこと、そうでない人々の心にも、深く刻まれた偉大な方だったと思います。まさに、日本の野球界の顔であり、象徴のような存在でした。
 長嶋さんが私たちに残してくれた功績、野球への情熱、そしてあのミスターらしい言動の数々…それらは決して忘れられることはないでしょう。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。安らかにお眠りください。

2025.06.02

令和の火付盗賊改方!

 定休日の水曜日、夜7時は至福のひと時です。それは、野球放送がなければ、時代劇の鬼平犯科帳の番組が放映されるからです。
悪人をぶった切る厳しさの中に、男の優しを醸し出す、長谷川平蔵はあこがれる生き方です。

さて先週、「拘禁刑」という言葉を初めて聞きました。 2025年6月1日以降に罪を犯した人に適用される、日本の新たな刑罰です。これは、実に118年ぶりの大きな転換となります。

 これまでの刑罰は「懲らしめ」という側面が強かったのですが、「拘禁刑」では「受刑者の更生」に軸足が置かれます。目的は、ずばり再犯の防止です。
では、「拘禁刑」の導入によって、具体的に何が変わるのでしょうか?
 
最も重要な変化の一つが、受刑者と刑事施設側の「対話」が重視されることです。これまでの「管理対象」という見方から、個人の特性に配慮し、対話を通じて更生を促す方向へシフトします。そのための具体的な取り組みとして、「リフレクティング」というプログラムが導入されます。これは、受刑者が自身の犯罪や過去について語り、それを刑務官などの観察者が振り返り、さらに受刑者自身がその振り返りを聞いて、客観視することで、自身の内面と向き合い、改善へのきっかけをつかむことを目指すものです。
 
広島刑務所では、このプログラムのために、リラックスして話せるように緑のカーペットや観葉植物、間接照明が置かれた部屋が整備されています。
また、受刑者の特性に合わせた対応も進められます。例えば、広島刑務所では、心身に障害があるなど集団生活が苦手な受刑者向けに、簡単な作業を通じて就労意欲を高めるための取り組みとして、地元特産の「広島菜」の種作りや販売が行われています。
 
刑事施設では、職員の意識改革も図られています。受刑者への呼び捨てをやめ、「さん付け」にしたり、移動中の集団行進を廃止したりするなど、受刑者との関わり方が根本から見直されています。
 しかし、118年ぶりの大転換には、現場の刑務官から不安の声も聞かれます。業務のあり方が根底から変わり、これまでの受刑者観を180度変える必要があるためです。
 
この点について、犯罪学の専門家である龍谷大の浜井浩一教授は、不安は避けられないとしつつも、旧制度で再犯率が改善されなかった現状を踏まえ、受刑者が社会の一員として戻ることを目指す「更生」へのシフトを、国民全体が理解することが重要だと指摘しています。国民の意識が変わることで、刑務官の意識も変わり、制度が定着していくと考えているようです。
 
「拘禁刑」の導入は、日本の刑事司法が、ただ罰するだけでなく、一人ひとりの受刑者の更生を社会全体で支えていく方向へと変化していく、その象徴と言えるでしょう。盗人にも三分の理ではございませんが、罪を憎み人を憎まず。
 

2025.06.01

テレワークってもう古いの?

 2025年も今日から6月に入りました。気候もこの時期には珍しく、連日過ごし易い気温で、クールビススタイルから、背広とネクタイ姿に戻りました。

 さて、新型コロナウイルスのパンデミックを機に、私たちの働き方は大きく変化しました。中でも「テレワーク」は一気に広まり、在宅勤務はもちろん、ワーケーションのように旅先から働くことも可能になりました。小さなお子さんを持つ方など、育児と仕事の両立という観点から、テレワークのメリットを強く感じた方も少なくないでしょう。

 ところが、最近ではオフィスに戻る動き、「オフィス回帰」が鮮明になってきているという話も耳にします。この流れを見ると、テレワークはもはや過去のものになってしまうのだろうか、と感じる方もいるかもしれません。
 実は、テレワークという働き方には、皆さんが思うよりも長い歴史があるようです。「テレコミューティング(telecommuting)」という言葉として、米国で1970年代から使われ始めたと言われています(オックスフォード英語辞典)。ですので、テレワークには半世紀ほどの歴史があるということです。
 コロナ禍での急速な普及を経て、テレワークは私たちの働き方の選択肢の一つとして、定着しつつあるようにも見えました。でも、ここにきて民間シンクタンクが行ったアンケート調査からは、オフィス回帰の傾向が見て取れるようです。なぜこのような傾向に向かっているのでしょうか?
規律というものがない中では、モチベーションが上がらないといわれています。ユダヤ教の教えでは、戒律があるからこそ、自由があるといいます。
自由すぎても、人はストレスを感じるようになっているのかもしれません。

 世の中は、一面だけでは成り立ちません。善悪、正負、勝ち負け、男女等、相反するものが合わさってこそ、現実が存在できるといったところではないかと思います。
さて、テレワークはこのまま減少を続け、本当に「古い」働き方になってしまうのでしょうか。それとも、また別の形で進化していくのでしょうか。

2025.05.31

ルビ

 日ごろ本や新聞を読んでいますと、難しい漢字に出くわし、何と読むのか悩ましいことが多々あります。そこに読み仮名がふられていると、とても有難いものです。残念ですが、書籍でそのような親切なルビがふられているのは少ない。
 それを何とか解消したいと、尊敬する経営者のひとり松本大氏が立ち上げられた、こちらの一般財団法人がございます。小さいころにルビのふられた本に接することができたので、知識への好奇心がました経験を、子どもたちに提供したいという理念で設立されたとのことです。

 さて、2025年5月26日から、皆さんの名前の読み方、戸籍に記載される新制度が始まったのをご存じでしょうか?いよいよ日本の戸籍制度に大きな変化が訪れます。この日、改正戸籍法が施行され、戸籍の氏名にカタカナで読み仮名が記されることになります。

これは、私たちの名前が、戸籍上でより正確に、そして公式に読み方と結びつけられるようになることを意味します。この新制度は、施行日以降に出生届が出される新生児や、新たに日本国籍を取得する方から対象となります。

 そこで、戸籍に記載できる読み仮名は、どのようなルールで決められるのでしょうか? 改正法では、読み仮名を「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」と規定しています。
法務省が示した審査基準によると、一般の辞典に掲載されているようなものは、広く認められる見込みです。また、近年増えているいわゆる「キラキラネーム」についても、一定程度は許容されるとみられています。例えば、「海」と書いて「まりん」と読むようなケースも認められる可能性があるようです。一方で、「社会を混乱させる」あるいは「社会通念上相当とはいえない」読み方は認められません。具体的には、以下のようなケースが挙げられています。一昔前に、「悪魔」という申請があり、認められなかったということがありました。
 例えば、漢字の意味や読み方に関連性を認めることができない読み方として、「太郎」を「ジョージ」や「マイケル」と読むケース。
明らかに異なる別の単語を加えて、漢字との関連性を認めることができない読み方を含むケースとして、「健」を「ケンイチロウ」と読むケースです。漢字の意味と反対だったり、別人や読み違いと誤解されたりする読み方として、「高」を「ヒクシ」、「太郎」を「ジロウ」と読むケースがあります。
 提出された氏名の読み仮名は、まず各地の市区町村が審査を行います。もし提出された読み仮名に疑義がある場合は、親などに漢字との関連性について説明を求められることがあります。それでも「一般に認められている」かどうか判断が難しい場合は、各地の法務局に照会し、最終的な判断は法務省が担うことになります。市区町村の窓口で最初に対応が行われ、難解な読み方など疑義が生じた場合には、さらに詳しい審査のために法務局や法務省の専門的な判断が必要になるという流れです。
 
 ところで、すでに戸籍がある、私たちには関係のない新制度なのでしょうか?
実は、すでに戸籍がある国民の皆さんについても、ご自身の名前の読み仮名がどのように登録されるのか、確認できる大切な機会がございます。
 
5月26日以降、戸籍がある国民に氏名の読み仮名通知が、圧着はがきで世帯単位に郵送される予定とのことです。世帯で5人以上の場合は複数枚にわたることもあるそうです。
 
 ということで、2025年5月26日から始まった戸籍の読み仮名新制度は、新生児や新たに国籍を取得する方から適用されます。ルールは「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」が基本ですが、一定程度の「キラキラネーム」は許容される一方、極端な読み方は認められない基準が示されています。すでに戸籍をお持ちの方にも通知が届きますので、ぜひ確認してみてください。

2025.05.30

TACO理論とは

 タコ理論?なんだぁ?

 最近、ドナルド・トランプ米大統領が、ある言葉について記者から質問された際にいら立ちを隠さなかったというニュースがありました。その言葉こそが、「TACO」です。

 この「TACO」とは、「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもチキって〈おじけづいて〉退く)」の略語で、現在、ウォール街のトレーダーの間で広く使われているユニークな言葉です。これは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のロバート・アームストロング記者が考案したもので、トランプ氏の政策が市場を混乱させ始めると、すぐに撤回する傾向があることを指摘するために生まれました。
 アームストロング記者は、投資家たちが「トランプ政権は市場や経済からの圧力に対する耐性があまり強くなく、関税が痛みを生じさせるとすぐに引き下がる」ことに気付き始めていると結論づけています。まさに、これが「TACO理論」なのです。
 この理論の根拠となる具体例はいくつかあります。例えば、トランプ氏が世界中に課していた巨額の「相互関税」を一時停止すると発表した直後には、株価が急騰しました。また、最近では欧州連合(EU)からの輸入品に50%の関税を課すと発表したものの、そのわずか2日後には発動を延期すると発表しています。こうした市場の反応や状況に応じて柔軟(あるいは朝令暮改とも)に対応する姿勢が、この理論の背景にあります。

 トランプ氏のこのような行動の根底には、1980年代にニューヨークで不動産デベロッパーとして成功した際に磨かれた、市場取引の浮き沈みに対する鋭敏さがあると言われています。特に第1次政権時には、ウォール街での鋭い反応が、トランプ氏の考えを変える唯一の方法となることもあったようです。
 「TACO理論」はFTのコラムを越えて急速に広まり、アナリストたちは、投資家の間では単なる皮肉を超え、実際に取引戦略としても注目されるようになっていると指摘しています。デンマークの投資銀行サクソバンクの専門家が、この理論を自身のポッドキャスト番組の見出しに使用したことからも、その浸透ぶりがうかがえます。

 トランプ氏本人が質問に対して激怒したというほど、この「TACO理論」は金融市場関係者の間で無視できない影響力を持つ言葉となっているようです。市場との関係性を示す興味深い事例と言えるでしょう。