アキバのつぶやき

2026.03.27

直観と逆張りについて

 仕事をしていると、自分の直感に従うべきか、
それともあえて逆の行動を取るべきか、迷う場面があります。
直感は危ない。だから逆をやれ。そんな言説もよく見かけます。

しかし、これは少し雑な理解ではないかと思うのです。
そもそも直感とは何か。
それは気まぐれではありません。
過去の経験や失敗、成功の蓄積が、
言語化されないまま圧縮されたものです。
現場に長くいる人ほど、
理由は説明できなくても「なんとなく嫌な感じがする」
といった判断が当たることがあります。
これは偶然ではありません。
むしろ、非常に合理的な判断です。
ですから、直感を無視して、
とりあえず逆をやるというのは、
思考しているようで、実は思考停止に近い。
では、直感は常に正しいのか。そうでもありません。

問題は、環境が変わったときです。
市場が変わる。顧客が変わる。前提が崩れる。
こうした局面では、直感は過去の延長に過ぎません。
つまり、「昨日までの正解」をなぞっているだけです。
このときに初めて、直感を疑う意味が出てきます。

ただしここでも、「逆をやれば正しい」という話ではありません。
直感の反対は、正解ではない。
単に別の選択肢に過ぎないのです。
Aが違うからといって、Bが正しいとは限らない。
実際には、CやDが正解であることの方が多い。
重要なのは、どちらを選ぶかではありません。
なぜそう判断するのか、その前提です。

不動産営業でいえば、
「この物件は売れない気がする」という直感があったとき、
無理に逆を取って売り込むのか。
それよりも、なぜそう感じたのかを分解する。
価格か、立地か、タイミングか。
そして、その前提が今も正しいのかを見直す。
このプロセスこそが、判断の質を上げます。

結局のところ、直感と逆のどちらを選ぶかは問題ではありません。
問われているのは、「どの前提に賭けるか」です。
直感に従うのも一つの戦略です。直感を疑うのもまた戦略です。
どちらにも理由があるかどうか。そこにしか差は生まれません。

直感か、逆張りか。その選択自体に意味はありません。
意味があるのは、その判断にどれだけ根拠があるかです。
戦略とは、正解を当てることではなく、
どの前提に立つかを決めることなのです。

今日も、「アキバのつぶやき」に来てくださって、ありがとうございます。

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