アキバのつぶやき

2026.03.22

公示価格、五年連続上昇について

 公示地価が5年連続で上昇しています。

この事実だけを切り取れば、「景気が良い」という話で終わります。
しかし、それでは少し考えが浅いのではないかと思うのです。
地価の上昇は、単なる価格の問題ではありません。
そこには必ず、誰かの利益と、誰かの負担が同時に存在します。
不動産を保有している人にとっては追い風です。
一方で、これから買おうとする人にとっては逆風になる。
つまり地価とは、景気の体温計というより、
利害をどう分配するかという装置に近いのです。

さらに注目すべきは、「5年連続」という点です。
単年の上昇は偶然でも起こり得ます。
しかし、これだけ続くと、それは構造です。
金融環境、都市への集中、資金の流れ。
こうした要素が絡み合い、「上がり続ける前提」が
いつの間にか共有されている。ここに本質があります。
ただし、もう一つ重要な視点があります。

それは、この上昇が一様ではないということです。
都市は上がる。地方はそうでもない。
平均値だけを見ていると、現実を見誤ります。
数字は便利ですが、ときに現実を隠します。
そしてもう一点。
誰がこの市場に参加しているのか。
海外投資家、富裕層、法人。
プレイヤーの顔ぶれは、確実に変わっています。
地価は価格で決まるのではなく、
誰がその価格を受け入れるかで決まるのです。

では、この流れはどこまで続くのでしょうか。
上昇局面では「買う理由」が語られます。
しかし、いずれ必ず「売る理由」が問われる局面が来る。
そのとき、最後に残るのは誰なのか。
不動産の現場にいると、強く感じます。

価格の話ばかりしていても、あまり意味がない。
本当に重要なのは、「いつ動くか」という時間の問題です。
上昇しているから売るのではない。
上昇している“今しか売れない理由”を考える。
地価の5年上昇は、明るいニュースのように見えます。
しかしその裏側では、静かにプレイヤーの入れ替えが進んでいます。
地価とは、価格の推移ではありません。
誰が残り、誰が退場していくのか。
その力学を映し出す鏡なのです。

今日も、「アキバのつぶやき」に来てくださって、ありがとうございます。

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