アキバのつぶやき
2026.01.16
不動産営業の賞味期限
不動産営業にも「賞味期限」というものがあるのではないか。そう感じる場面が増えています。誤解のないように言えば、年齢の話ではありません。問題は、どのやり方で成果を出しているか、という点です。
かつての不動産営業は、足で稼ぐ仕事でした。電話をかけ、訪問し、名刺を配る。その量が、そのまま成果につながる時代が確かにありました。そのやり方で結果を出してきた人ほど、「自分の営業スタイルは完成している」と思いがちです。しかし市場は変わりました。情報は顧客の手の中にあり、営業は「教える人」から「整理する人」へと役割が変わっています。ここで賞味期限が問題になります。
過去に機能したやり方を、そのまま冷蔵保存しても、いまの市場では味が落ちる。にもかかわらず、成功体験が強いほど、やり方を変えられない。これが、不動産営業の賞味期限を早める最大の要因です。一方で、長く求められる営業もいます。彼らは新規開拓の数ではなく、既存顧客との関係の質を高めます。
物件の説明よりも、意思決定の背景を聞く。価格よりも、生活や事業の文脈を理解する。つまり、営業を「売る仕事」から「判断を助ける仕事」へとシフトしているのです。年齢を重ねた営業にとって、これはむしろ有利です。
経験とは、物件数ではなく「失敗と修正の履歴」です。その履歴を言語化できる人ほど、若い営業には代替できません。体力勝負を降り、知的勝負に移行した瞬間、不動産営業の賞味期限は延び始めます。
重要なのは、自分の現在地を正確に知ることです。自分は、いま「誰に」「何を」提供できるのか。新築なのか中古なのか、個人なのか法人なのか、売買なのか賃貸なのか。ターゲットを絞ることは、可能性を狭めることではありません。 賞味期限を明確にする行為です。
不動産営業の賞味期限は、外から決められるものではありません。やり方を更新し、役割をずらし、価値の出し方を変え続ける限り、期限は自分で延ばせます。この仕事は、年を取るほど「売らなくても選ばれる」営業になれる。そういう、数少ない職業なのです。
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