アキバのつぶやき
2025.11.29
どうして職場を離れたくなる気持ちに気づけないのか?
「退職願が出て初めて気づく」というのは、組織マネジメントの世界では珍しいことではありません。部下が辞めるという事態は、多くの場合結果の表面にすぎません。
本当の問題は、もっと前、もっと静かな場所で起きていたはずです。コミュニケーションが滞り、心理的距離が広がり、信頼残高が徐々に減っていく。そうした兆候は、確実に存在していたはずです。退職願が提出された瞬間に「しまった」と感じるとすれば、それは問題の発覚が遅すぎたということを意味します。
つまり、手遅れに近い状態と言ってよいと思います。マネジメントは、結果を見てから動くのではなく、兆候を読み取り、介入のタイミングを逃さないことが腕の見せどころです。退職願という明確な“イベント”が発生した時点では、すでに多くの場合、当人の気持ちは離れきっています。そこから説得しても、表面を取り繕っているだけで、信頼は回復しません。
ここで大切なのは、「なぜ辞めるのか」ではなく、「なぜその前に気づけなかったのか」という問いです。企業でも行政でも、マネジメントが失敗するパターンは共通しています。忙しさを理由に、日常の対話が失われる形式的な評価制度に頼りすぎ、実感が伴わない問題が起きてから対処する“事後思考”に陥る部下が本音を言えない空気ができあがる退職願は、その積み重ねの“結果”です。
結果を悔やむより、プロセスのどこに欠陥があったかを徹底的に振り返るべきです。そうでなければ、同じことは必ず繰り返されます。
しかし、それを学びに変えるかどうかで、組織の未来は大きく変わります。退職願は、組織にとって痛みを伴う最高の教材です。その痛みを活かせるかどうか。
こにマネジメントの真価が問われるのであります。