アキバのつぶやき

2025年05月

2025.05.31

ルビ

 日ごろ本や新聞を読んでいますと、難しい漢字に出くわし、何と読むのか悩ましいことが多々あります。そこに読み仮名がふられていると、とても有難いものです。残念ですが、書籍でそのような親切なルビがふられているのは少ない。
 それを何とか解消したいと、尊敬する経営者のひとり松本大氏が立ち上げられた、こちらの一般財団法人がございます。小さいころにルビのふられた本に接することができたので、知識への好奇心がました経験を、子どもたちに提供したいという理念で設立されたとのことです。

 さて、2025年5月26日から、皆さんの名前の読み方、戸籍に記載される新制度が始まったのをご存じでしょうか?いよいよ日本の戸籍制度に大きな変化が訪れます。この日、改正戸籍法が施行され、戸籍の氏名にカタカナで読み仮名が記されることになります。

これは、私たちの名前が、戸籍上でより正確に、そして公式に読み方と結びつけられるようになることを意味します。この新制度は、施行日以降に出生届が出される新生児や、新たに日本国籍を取得する方から対象となります。

 そこで、戸籍に記載できる読み仮名は、どのようなルールで決められるのでしょうか? 改正法では、読み仮名を「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」と規定しています。
法務省が示した審査基準によると、一般の辞典に掲載されているようなものは、広く認められる見込みです。また、近年増えているいわゆる「キラキラネーム」についても、一定程度は許容されるとみられています。例えば、「海」と書いて「まりん」と読むようなケースも認められる可能性があるようです。一方で、「社会を混乱させる」あるいは「社会通念上相当とはいえない」読み方は認められません。具体的には、以下のようなケースが挙げられています。一昔前に、「悪魔」という申請があり、認められなかったということがありました。
 例えば、漢字の意味や読み方に関連性を認めることができない読み方として、「太郎」を「ジョージ」や「マイケル」と読むケース。
明らかに異なる別の単語を加えて、漢字との関連性を認めることができない読み方を含むケースとして、「健」を「ケンイチロウ」と読むケースです。漢字の意味と反対だったり、別人や読み違いと誤解されたりする読み方として、「高」を「ヒクシ」、「太郎」を「ジロウ」と読むケースがあります。
 提出された氏名の読み仮名は、まず各地の市区町村が審査を行います。もし提出された読み仮名に疑義がある場合は、親などに漢字との関連性について説明を求められることがあります。それでも「一般に認められている」かどうか判断が難しい場合は、各地の法務局に照会し、最終的な判断は法務省が担うことになります。市区町村の窓口で最初に対応が行われ、難解な読み方など疑義が生じた場合には、さらに詳しい審査のために法務局や法務省の専門的な判断が必要になるという流れです。
 
 ところで、すでに戸籍がある、私たちには関係のない新制度なのでしょうか?
実は、すでに戸籍がある国民の皆さんについても、ご自身の名前の読み仮名がどのように登録されるのか、確認できる大切な機会がございます。
 
5月26日以降、戸籍がある国民に氏名の読み仮名通知が、圧着はがきで世帯単位に郵送される予定とのことです。世帯で5人以上の場合は複数枚にわたることもあるそうです。
 
 ということで、2025年5月26日から始まった戸籍の読み仮名新制度は、新生児や新たに国籍を取得する方から適用されます。ルールは「氏名として用いられる文字の読み方として一般に認められているもの」が基本ですが、一定程度の「キラキラネーム」は許容される一方、極端な読み方は認められない基準が示されています。すでに戸籍をお持ちの方にも通知が届きますので、ぜひ確認してみてください。

2025.05.30

TACO理論とは

 タコ理論?なんだぁ?

 最近、ドナルド・トランプ米大統領が、ある言葉について記者から質問された際にいら立ちを隠さなかったというニュースがありました。その言葉こそが、「TACO」です。

 この「TACO」とは、「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもチキって〈おじけづいて〉退く)」の略語で、現在、ウォール街のトレーダーの間で広く使われているユニークな言葉です。これは、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のロバート・アームストロング記者が考案したもので、トランプ氏の政策が市場を混乱させ始めると、すぐに撤回する傾向があることを指摘するために生まれました。
 アームストロング記者は、投資家たちが「トランプ政権は市場や経済からの圧力に対する耐性があまり強くなく、関税が痛みを生じさせるとすぐに引き下がる」ことに気付き始めていると結論づけています。まさに、これが「TACO理論」なのです。
 この理論の根拠となる具体例はいくつかあります。例えば、トランプ氏が世界中に課していた巨額の「相互関税」を一時停止すると発表した直後には、株価が急騰しました。また、最近では欧州連合(EU)からの輸入品に50%の関税を課すと発表したものの、そのわずか2日後には発動を延期すると発表しています。こうした市場の反応や状況に応じて柔軟(あるいは朝令暮改とも)に対応する姿勢が、この理論の背景にあります。

 トランプ氏のこのような行動の根底には、1980年代にニューヨークで不動産デベロッパーとして成功した際に磨かれた、市場取引の浮き沈みに対する鋭敏さがあると言われています。特に第1次政権時には、ウォール街での鋭い反応が、トランプ氏の考えを変える唯一の方法となることもあったようです。
 「TACO理論」はFTのコラムを越えて急速に広まり、アナリストたちは、投資家の間では単なる皮肉を超え、実際に取引戦略としても注目されるようになっていると指摘しています。デンマークの投資銀行サクソバンクの専門家が、この理論を自身のポッドキャスト番組の見出しに使用したことからも、その浸透ぶりがうかがえます。

 トランプ氏本人が質問に対して激怒したというほど、この「TACO理論」は金融市場関係者の間で無視できない影響力を持つ言葉となっているようです。市場との関係性を示す興味深い事例と言えるでしょう。

2025.05.29

卑劣なやり方

 兵庫県で、元総務部長による県元幹部の私的な情報漏洩問題が大きな波紋を広げています。
この問題の発端は何だったのでしょうか?


 事の発端は、斎藤兵庫県知事に対する匿名告発でした。告発を知った斎藤知事は、当時の片山副知事や井ノ本元総務部長らに対し、告発者探しを指示したとされています。その過程で、告発者とみられる人物の県公用パソコンが調べられ、そこから極めて個人的な内容を含む文書が取り出されました。この個人的な文書を複数の県議に見せて回ったのが井ノ本元総務部長です。
 
 その目的は、文書を見せた県議に対し「このような人間が告発文書をつくった」と述べ、告発者の信用性をおとしめ、告発内容の信頼性を損なわせることだったとみられています。誠にもって卑劣と言いますか、自己擁護の醜態ではないかと思います。
 この漏洩行為について、井ノ本元総務部長は県の人事当局に対し「斎藤知事らの指示でやった」と説明していることが明らかになりました。これに対し、斎藤知事は「漏洩を指示した事実は全くない」と完全に否定しています。しかし、県の第三者調査委員会は、知事と片山元副知事の指示を受けて漏洩が行われた「可能性が高い」と結論づけています。
 この問題により、井ノ本元総務部長は停職3ヶ月の懲戒処分を受けました。片山元副知事は既に昨年7月に辞任しています。指示の有無を巡る関係者の証言の食い違いなどから、斎藤知事も苦しい立場に立たされており、県政は大混乱に陥っていると報じられています。
県民の信頼に関わる深刻な問題として、今後の進展が注目されます。

 税金を使い、様々な人の時間と労力を使って、事実を明らかにしてきていますが、真実はどこにあるのでしょうか?

2025.05.27

平均について

 国税庁の調査によると、2023年の日本の平均給与は460万円だったそうです。1年を通じて働いた給与所得者約5076万人の平均値とのこと。前年からはわずかに増えているそうですが、25年前の1998年は465万円で、長い目で見るとほとんど増えていないのが実情のようです。

 この「平均年収460万円」という数字を聞いて、どのように感じますか?「そんなにもらっていないよ」と感じる人も多いのではないでしょうか。
実は、この平均年収は「実態」とは少し離れているかもしれません。国税庁のデータを見ると、年収400万円以下の方が全体の5割超(2571万人)を占めています。さらに、年収400万円超500万円以下の人の半分が平均未満だと仮定すると、全体の6割近くが460万円に達していないという計算になります。つまり、平均以下の人が多数派なのです。

 調査に応じた方々からは、「手取りが一向に増えない」「10年ほど手取りは変わっていない」といった声や、「一生懸命働いても少ないボーナス」といった声が聞かれます。さらに、最近の物価上昇で、給料が増えないままでは日々の暮らしがより苦しくなっているという切実な声もあります。特に子育て世代からは、修学旅行費や制服代の値上げなど、教育費負担の増加への懸念が寄せられています。
 新入社員の初任給が上昇と、マスコミ等で喧伝されていますが、子どもを持つ家庭では実質賃金は低下傾向というのが、実態ではないでしょうか。
 一方で、平均年収を下回る人が多い中で、1千万円を超える高給取りは増加しているという事実もあります。これにより平均値は引き上げられますが、多くの人にとっては「平均」という数字が自分たちの「実感」とかけ離れたものになってしまっているのです。
平均年収460万円という数字は、あくまで全体の平均であり、多くの人がそれ以下の収入で生活しているという現実があります。そして、高額所得者が増えることで、統計上の平均は上がりつつも、貧富の差が広がっている様子がうかがえます。
 統計の数字だけでは見えない、日本の「給料」の事実。平均以下の収入で物価高に苦しむ人が多くいる一方で、高額所得者は増えているという現状に、改めて目を向ける必要がありそうです。

 平均という言葉を、日本人は信奉する傾向にあるように思います。何事も平均という数字の上辺だけで解釈するのではなく、本質を見るひとつ深い思考を身に着けたいものです。

2025.05.26

備蓄米

 昨日今日と、肌寒さを感じますね。今週も、体調管理に気を付けていきましょう。本日は、私たちの食卓に欠かせないお米に関するつぶやきをしたいと思います。
 
 農水大臣の更迭後、政府の備蓄米の販売方法が変わり、大きな注目を集めています。

農林水産省は、本日(記事配信日)から、備蓄米あわせて30万トンについて、大手小売り業者を対象に、国が決めた価格での販売契約を開始しました。これまで競争入札で行われていたこの契約が、「随意契約」のもとで行われることになったのです。
 
 小泉進次郎農水大臣は、この随意契約について、その目的を「今までの流通の円滑化という目的から、備蓄米を安価で安定的に供給するという新しい目的を設定した」と説明しています。

 これまでの目的から、消費者の手元に安く安定的に届けることへと重点が移ったことがわかります。
さらに、小泉大臣は、この随意契約で契約した事業者の社名を公表する考えを明らかにしました。「透明性を確保し、世の中にもどのような事業者が参加し契約に至ったのか、ちゃんと説明していく」と述べており、今回の随意契約の透明性を高める姿勢を示しています。随意契約である以上は、社名公表は必定となるでしょう。
 数量についても、「まずは30万トン」としながらも、「足りなければ無制限に放出する」と改めて話し、「30万トン」という数量にこだわらない考えを強調しました。これは、必要に応じて柔軟に対応していくという強いメッセージと言えるでしょう。
 
 小泉大臣は、以前から「もう減反(政策)をやめるんだ」と発言するなど、コメ政策について踏み込んだ姿勢を見せています。また、備蓄米の放出に関しても、「需要があれば60万トン全て放出」、店頭価格は「2000円」 といった発言も報じられています。これらの過去の発言も、今回の随意契約への変更と併せて考えると、今後のコメの需給や価格に影響を与える可能性があります。
 今回の備蓄米の随意契約への変更と、その透明性を確保するための社名公表は、私たちの食卓にコメが安価で安定的に供給されることを目指した新しい取り組みです。

 私は、経済の仕組みから、そもそも高ければ買わなければいいのでは、と考えています。どうも日本人というのは、空気に流されやすいのではないでしょうか。それにしましても、日本の主食である米が高いということは、けしからんという理由は、どこにあるのでしょう。生産者の実状をかえりみず、世論に迎合する政策はいかがなものかと反面思いました。

2025.05.25

「ブサカワ」人気ぬいぐるみ「ラブブ」争奪戦!まさかの英国店頭販売停止に?

 最近あるぬいぐるみの人気がすごいことになっているのをご存知ですか?
その名も「ラブブ」。

 このラブブ、鋭い歯を持った手のひらサイズのぬいぐるみで、ウサギの体に妖精の顔を持つ「ブサカワ」な見た目が特徴です。香港生まれのイラストレーター、カシン・ロン氏が生み出したキャラクターで、2015年の登場以来、一部で熱心なファンがいたのですが、ここに来て人気が急上昇しているようです!
 なぜそんなに人気なのでしょうか?なんと、リアーナやデュア・リパ、BLACKPINKのリサといった世界のトップスターたちが、お守りのように身に着けているからなんです。今年のパリ・ファッションウィークでも目撃されたそうです。
 ところが、この人気が思わぬ事態を引き起こしました。あまりの人気ぶりに、イギリスの店舗では行列や混雑が発生し、ついには「けんか」の報告まで相次いだというのです!
 事態を重く見た販売元のポップマート(中国に拠点を置く玩具会社)は、安全と快適さを確保するためとして、なんと英国全土でのラブブの店頭販売を一時停止すると発表しました。ロボショップ(セルフサービス店)での販売も停止ですが、オンライン販売は通常通り続けられるとのことです。

 このラブブ、ポップマートにとっては、まさに「ドル箱」です。昨年の総売上130億4000万元のうち、ラブブ単体で30億元(日本円で約600億円以上)を稼ぎ出しています。特に海外での人気は凄まじく、昨年の海外売上高はなんと375.2%増の50億7000万元(約1007億円)に急伸しています。

 TikTokでもラブブは大人気で、「Labubu」のハッシュタグが付いた投稿は140万件を超えています。開封動画はもちろん、なんと店外での乱闘映像まで投稿されているというから驚きです。さらに、通常の小売価格85ドル(約13,000円)のぬいぐるみが、「StockX」のような転売サイトでは数百ドル(数万円以上!)で取引されている状況です。

 この異常なまでの熱狂ぶりには、「常軌を逸している」と指摘する声も上がっています。実際に、「ラブブのために命を危険にさらさないで」というコメントが添えられたTikTok動画は、10万回以上視聴されているそうです。ロンドンの店舗での激しい混乱の様子が捉えられているといいます。
 たった一つのぬいぐるみが、これほどまでの社会現象と混乱を生み出すなんて、リカちゃん人形を思い出させてくれます。(ちょっと古いですか)
人気が出るのは素晴らしいことですが、ファン同士のトラブルや危険な状況は避けたいものです。何事も執着すると、良い結果を生みませんね。

 皆さんはこの「ラブブ旋風」、どう思われますか?

2025.05.24

さかきばら

 今日は、 過去の日本の犯罪で一番世間を震撼させた、神戸連続児童殺人事件の被害者の一人である、土師淳さんの命日です。もう、28年になるのですね。本当に稀にみる残忍な犯行で、まさか中学生が犯人とは、だれも思わなかった。

 その犯人は当時の少年法により、罪を問われず今は42歳となり社会に復帰しています。土師さんのお父様は命日に手記を発表されている。犯人からは一度も手紙が送られてきたことが無いとの事です。

 もし私が犯人だったらと思うと、遺族の方々にどのような対応をしているだろうと考えますと、複雑な気持ちになります。亡くなった方は生き返らないのですが、事件を忘れることなく、少年犯罪の防止について何ができるか、考え続けていくしかないと思います。

 被害者の皆様のご冥福をお祈り申し上げます。

2025.05.23

岩めぐり

 今週の火曜日に、京都のお伊勢さんと言われているこちらの神社と、岩窟巡りで地元では有名なこちらのパワースポットに友人と二人で行ってきました。日向大神社には、ハイキングを楽しみながら参拝に来られている人が多かった。気温も夏日でしたので、汗だくになりました。
 人が一人通り抜けるぐらいの穴を持つ岩「天の岩戸」が有名です。そしてその角にある戸穏神社に参拝し、天の岩戸を通り抜けますと、罪や穢れが清められるといわれています。その日は往復してしまいました。(笑)
 独りで行けるところではございましたが、友人と二人で行ったわけは、岩船神社の参拝があったからなのです。

 さて、岩船神社は、大きな岩の塊の隙間を歩いてくぐり抜けて社務所に戻るルートです。山の湧き水が、岩にしたたり落ちているので、滑りやすくなっています。だから前日が雨の日は岩窟めぐりの参拝は中止となります。私たちが受付していると、二組のカップルが来らました。参拝前に、宮司さんから、岩窟めぐりの注意点の説明がありました。聞いていると心細くなり、怪我するのではという気持ちが一瞬よぎりました。
 
 気を引き締めて、私が先頭となり、いざ岩窟へ向かいますと、なめてかかると危険と言われていたのに、合点しました。暗く足元が分かりづらく、ルートの目印を見落としてしまいそうになります。油断すると本当に、体を擦りむいて血が出るのは必定です。だから、ひとりでは参拝できません。ところどころ、戸惑う場所がありましたが、なんとか、無事もどることが出来ました。

 車に戻りますと、少年時代に危ないところを探検した時の思い出話となり、笑ってしまいました。はて、知らず知らずに身についていた穢れが、拭い去れただろうか。私が登山靴を買ったら山登りにまた行こうと約束し、家に帰りました。

2025.05.22

他山の石

 農水大臣が更迭されました。どうしてあのような発言をしたのか、不思議でなりません。空気読めなさすぎるという次元ではございません。コメ問題で世間を騒がしている渦中に!当事者意識の欠如がそうさせるのでしょうか。

 私も仕事柄、おしゃべりする機会が多い方ですので、初対面のお客様に接するときは緊張します。過去に初対面とは感じられないお客様と面談した時に、ウケ狙いの冗談を発したことがあります。お叱りを直接頂いたという事はございませんが、先方様が大きな心をお持ちだっただけ、実際は失礼な事を言っていたことがあるのではないかと思うと、ゾッとします。

 関西人はユーモアがないと生きていけないとよく言われますが、それを信じてユーモアのセンスのない人間が、軽率に冗談を発するのは、愚の骨頂ではないかと思います。言葉は、言霊と古来から言われています。過ぎたるは及ばざるが如し。覆水盆に返らずです。十分に気をつけよっと。

2025.05.19

家賃と同じならお得は本当か?賃貸からマンション購入への道

 私の姪っ子が、実家を離れ一人暮らしをはじめて、一年になります。職場への通勤時間を考えて、大阪市内の賃貸マンションに住んでいます。まだ独身ですが、マンション購入に憧れているかもしれません。
 

 さて、賃貸暮らしから一歩踏み出して「買おうかな?」と考え始めるきっかけの一つに、「月々〇万円のローン返済で購入できます。家賃と比べてみてください」といった広告を見かけたことがあるかもしれません。

 
 「今の家賃と同じくらいなら、購入した方がお得なんじゃない?」そう思いますよね。でも、ちょっと待ってください。実は、単純に家賃と月々のローン返済額だけを比較するだけでは見落としてしまう、購入ならではの費用負担があるんです。
今回は、賃貸からマンション購入を検討しているあなたが、後悔しないための「簡単な予算の立て方」について、こちらの記事を参考につぶやいてみます。

 賃貸とマンション購入、何が違うの?
 賃貸に住んでいる場合、家賃を払い続ければ特に大きな心配なく住み続けられます。雨漏りや設備の故障があっても、修理費用は大家さんが負担してくれます。また、土地や建物にかかる固定資産税・都市計画税も大家さんが支払っています。
一方、自分で住まいを購入した場合、これらの費用は全て自分で負担しなければなりません。金融機関はローンの返済を受け取るだけで、税金や修繕費までは負担してくれないからです。ここが、賃貸と所有の最も大きな違いです。
この違いを理解していれば、予算立ては比較的シンプルになります。

 あなたの「買えるマンション価格」を計算してみよう!

 では、具体的にどうやって予算を立てれば良いのでしょうか?
基本となる考え方は、「今まで家賃として支払っていた金額で、購入後に必要となる住まいに関する全ての支出を賄えるか?」です。
例として、現在の家賃が月15万円だった場合を考えてみましょう。この15万円の範囲内で、以下の費用を支払えるかをシミュレーションします。
•毎月のローン返済額•固定資産税・都市計画税•管理費•修繕積立金
仮に、固定資産税・都市計画税が年間合計12万円(つまり月1万円)、管理費と修繕積立金の合計が月4万円 だとします。
この場合、月々の住居費として充てられる15万円から、税金1万円と管理費・修繕積立金4万円を差し引くと、ローン返済に回せるのは月10万円ということになります。 次に、この「月10万円」を毎月返済していくとして、いくらまで借り入れできるかを計算します。ウェブサイトで簡単に試算できるツールが多くありますので活用してみてください。
 
 例えば、返済期間35年、元利均等返済、固定金利2%という条件なら、約3000万円の借り入れが可能となります。
つまり、現在の家賃15万円の範囲で住居費を賄うことを目指すなら、約3000万円程度の物件が購入ターゲットになるというわけです。

物件価格以外にかかる「諸費用」も忘れずに!

 予算を考える上で、もう一つ非常に重要なのが「諸費用」です。マンションを購入する際には、物件の売買代金以外にも様々な費用が発生します。
主な諸費用には以下のようなものがあります。
•所有権移転登記費用(所有者の名義変更)•抵当権設定費用(ローンを借りた場合)•不動産取得税(ケースによる、中古は耐震基準なども関係)
•不動産仲介手数料(中古の場合ほとんどかかる、売買代金の約3.3%強)•火災保険料、地震保険料•融資事務手数料など
 これらの諸費用は、ケースバイケースですが、一般的には売買代金の7%〜8%程度が一つの目安とされています。そして、これらの諸費用は、ローンに含めるのではなく自己資金で賄うのが一般的な考え方とされています。しかし、現在では住宅ローンに含める方も多くなっていると聞きます。

 先ほどの3000万円の物件を例にすると、諸費用として210万円から240万円を自己資金として用意する必要がある、ということになります。

もっと賢く予算を立てるためのポイント
•家計を見直す: もし、現在の家計を見直して、毎月の住居費として充てられる金額を増やせるようであれば、その分借り入れできる金額も増える可能性があります。
•中長期的な視点: マイホームは長く住む場所です。無理のない返済計画を立てるためにも、中長期的に考えて、毎月の支出の上限をどのくらいにするかをしっかり検討することが重要です。
•変動金利のリスク: 変動金利でローンを借りる場合は、将来金利が上昇すると月々の返済額が増える可能性があります。金利上昇リスクも考慮し、少し高めの金利でシミュレーションしておくと安心です。

まとめ
 賃貸からマンション購入へのステップでは、「家賃と同じならお得」という単純な比較ではなく、購入後の維持費用(固定資産税、管理費、修繕積立金など)を、現在の家賃の範囲で賄えるかを計算することが、予算立ての基本です。さらに、物件価格の7%〜8%程度の諸費用を、自己資金で用意しておいた方が良いということも忘れずに。
 これらのポイントを押さえて、あなたにとって無理のない最適なマイホーム予算を立ててくださいね。
この記事は、日本経済新聞に掲載された「20代からのマイホーム考」の記事を参考にしています。このコラムでは、不動産コンサルタントの田中歩氏がマイホーム選びの様々なポイントを解説されています。住宅資金は人生の三大資金の一つとも言われる大切な資金です。しっかり計画を立てて、素敵なマイホームを見つけましょう!