アキバのつぶやき
2025.05.27
平均について
国税庁の調査によると、2023年の日本の平均給与は460万円だったそうです。1年を通じて働いた給与所得者約5076万人の平均値とのこと。前年からはわずかに増えているそうですが、25年前の1998年は465万円で、長い目で見るとほとんど増えていないのが実情のようです。
この「平均年収460万円」という数字を聞いて、どのように感じますか?「そんなにもらっていないよ」と感じる人も多いのではないでしょうか。
実は、この平均年収は「実態」とは少し離れているかもしれません。国税庁のデータを見ると、年収400万円以下の方が全体の5割超(2571万人)を占めています。さらに、年収400万円超500万円以下の人の半分が平均未満だと仮定すると、全体の6割近くが460万円に達していないという計算になります。つまり、平均以下の人が多数派なのです。
調査に応じた方々からは、「手取りが一向に増えない」「10年ほど手取りは変わっていない」といった声や、「一生懸命働いても少ないボーナス」といった声が聞かれます。さらに、最近の物価上昇で、給料が増えないままでは日々の暮らしがより苦しくなっているという切実な声もあります。特に子育て世代からは、修学旅行費や制服代の値上げなど、教育費負担の増加への懸念が寄せられています。
新入社員の初任給が上昇と、マスコミ等で喧伝されていますが、子どもを持つ家庭では実質賃金は低下傾向というのが、実態ではないでしょうか。
一方で、平均年収を下回る人が多い中で、1千万円を超える高給取りは増加しているという事実もあります。これにより平均値は引き上げられますが、多くの人にとっては「平均」という数字が自分たちの「実感」とかけ離れたものになってしまっているのです。
平均年収460万円という数字は、あくまで全体の平均であり、多くの人がそれ以下の収入で生活しているという現実があります。そして、高額所得者が増えることで、統計上の平均は上がりつつも、貧富の差が広がっている様子がうかがえます。
統計の数字だけでは見えない、日本の「給料」の事実。平均以下の収入で物価高に苦しむ人が多くいる一方で、高額所得者は増えているという現状に、改めて目を向ける必要がありそうです。
平均という言葉を、日本人は信奉する傾向にあるように思います。何事も平均という数字の上辺だけで解釈するのではなく、本質を見るひとつ深い思考を身に着けたいものです。
平均という言葉を、日本人は信奉する傾向にあるように思います。何事も平均という数字の上辺だけで解釈するのではなく、本質を見るひとつ深い思考を身に着けたいものです。