アキバのつぶやき
2025.05.19
家賃と同じならお得は本当か?賃貸からマンション購入への道
私の姪っ子が、実家を離れ一人暮らしをはじめて、一年になります。職場への通勤時間を考えて、大阪市内の賃貸マンションに住んでいます。まだ独身ですが、マンション購入に憧れているかもしれません。
さて、賃貸暮らしから一歩踏み出して「買おうかな?」と考え始めるきっかけの一つに、「月々〇万円のローン返済で購入できます。家賃と比べてみてください」といった広告を見かけたことがあるかもしれません。
「今の家賃と同じくらいなら、購入した方がお得なんじゃない?」そう思いますよね。でも、ちょっと待ってください。実は、単純に家賃と月々のローン返済額だけを比較するだけでは見落としてしまう、購入ならではの費用負担があるんです。
今回は、賃貸からマンション購入を検討しているあなたが、後悔しないための「簡単な予算の立て方」について、こちらの記事を参考につぶやいてみます。
賃貸とマンション購入、何が違うの?
賃貸に住んでいる場合、家賃を払い続ければ特に大きな心配なく住み続けられます。雨漏りや設備の故障があっても、修理費用は大家さんが負担してくれます。また、土地や建物にかかる固定資産税・都市計画税も大家さんが支払っています。
一方、自分で住まいを購入した場合、これらの費用は全て自分で負担しなければなりません。金融機関はローンの返済を受け取るだけで、税金や修繕費までは負担してくれないからです。ここが、賃貸と所有の最も大きな違いです。
この違いを理解していれば、予算立ては比較的シンプルになります。
あなたの「買えるマンション価格」を計算してみよう!
では、具体的にどうやって予算を立てれば良いのでしょうか?
基本となる考え方は、「今まで家賃として支払っていた金額で、購入後に必要となる住まいに関する全ての支出を賄えるか?」です。
例として、現在の家賃が月15万円だった場合を考えてみましょう。この15万円の範囲内で、以下の費用を支払えるかをシミュレーションします。
•毎月のローン返済額•固定資産税・都市計画税•管理費•修繕積立金
仮に、固定資産税・都市計画税が年間合計12万円(つまり月1万円)、管理費と修繕積立金の合計が月4万円 だとします。
この場合、月々の住居費として充てられる15万円から、税金1万円と管理費・修繕積立金4万円を差し引くと、ローン返済に回せるのは月10万円ということになります。 次に、この「月10万円」を毎月返済していくとして、いくらまで借り入れできるかを計算します。ウェブサイトで簡単に試算できるツールが多くありますので活用してみてください。
例えば、返済期間35年、元利均等返済、固定金利2%という条件なら、約3000万円の借り入れが可能となります。
例えば、返済期間35年、元利均等返済、固定金利2%という条件なら、約3000万円の借り入れが可能となります。
つまり、現在の家賃15万円の範囲で住居費を賄うことを目指すなら、約3000万円程度の物件が購入ターゲットになるというわけです。
物件価格以外にかかる「諸費用」も忘れずに!
予算を考える上で、もう一つ非常に重要なのが「諸費用」です。マンションを購入する際には、物件の売買代金以外にも様々な費用が発生します。
主な諸費用には以下のようなものがあります。
•所有権移転登記費用(所有者の名義変更)•抵当権設定費用(ローンを借りた場合)•不動産取得税(ケースによる、中古は耐震基準なども関係)
•不動産仲介手数料(中古の場合ほとんどかかる、売買代金の約3.3%強)•火災保険料、地震保険料•融資事務手数料など
これらの諸費用は、ケースバイケースですが、一般的には売買代金の7%〜8%程度が一つの目安とされています。そして、これらの諸費用は、ローンに含めるのではなく自己資金で賄うのが一般的な考え方とされています。しかし、現在では住宅ローンに含める方も多くなっていると聞きます。
先ほどの3000万円の物件を例にすると、諸費用として210万円から240万円を自己資金として用意する必要がある、ということになります。
もっと賢く予算を立てるためのポイント
•家計を見直す: もし、現在の家計を見直して、毎月の住居費として充てられる金額を増やせるようであれば、その分借り入れできる金額も増える可能性があります。
•中長期的な視点: マイホームは長く住む場所です。無理のない返済計画を立てるためにも、中長期的に考えて、毎月の支出の上限をどのくらいにするかをしっかり検討することが重要です。
•変動金利のリスク: 変動金利でローンを借りる場合は、将来金利が上昇すると月々の返済額が増える可能性があります。金利上昇リスクも考慮し、少し高めの金利でシミュレーションしておくと安心です。
まとめ
賃貸からマンション購入へのステップでは、「家賃と同じならお得」という単純な比較ではなく、購入後の維持費用(固定資産税、管理費、修繕積立金など)を、現在の家賃の範囲で賄えるかを計算することが、予算立ての基本です。さらに、物件価格の7%〜8%程度の諸費用を、自己資金で用意しておいた方が良いということも忘れずに。
これらのポイントを押さえて、あなたにとって無理のない最適なマイホーム予算を立ててくださいね。
この記事は、日本経済新聞に掲載された「20代からのマイホーム考」の記事を参考にしています。このコラムでは、不動産コンサルタントの田中歩氏がマイホーム選びの様々なポイントを解説されています。住宅資金は人生の三大資金の一つとも言われる大切な資金です。しっかり計画を立てて、素敵なマイホームを見つけましょう!