アキバのつぶやき
2026.02.05
マスコミとの付き合い
スポーツニュースでは「雪不足で練習ができない」と嘆き、天気予報では「80年ぶりの大雪」と伝える。同じ放送局の、同じ一日の出来事です。にもかかわらず、そこに違和感を覚えない人の方が多い。
私は、この現象にマスコミの本質が表れていると思います。重要なのは、どちらも事実であるということです。雪が足りない場所もあれば、雪が降りすぎた場所もある。現実はもともと複雑で、矛盾に満ちています。しかし、マスコミはその複雑さをそのまま伝えません。文脈ごとに世界を切り分け、分かりやすい物語として提示する。
つまりマスコミとは、世界を説明する存在というより、「編集する装置」なのです。問題は、編集された世界を、私たちが「現実そのもの」だと誤解してしまう点にあります。雪不足と大雪は、本来なら同じ気候変動の文脈で語られるべき現象でしょう。
しかし、スポーツはスポーツ、天気は天気という枠組みの中で語られることで、両者の関係性は見えなくなります。結果として、私たちは断片化された現実だけを受け取ることになります。マスコミは嘘をついているわけではありません。しかし、真実を語っているわけでもない。
彼らが提供するのは、切り分けられた「部分的な正しさ」です。そして、その部分的な正しさが積み重なることで、全体像はますます見えなくなります。これは、組織や社会で起こる「逸脱の正常化」とよく似ています。世界を断片化して語ることが当たり前になり、その違和感が忘れられていく。
私たちはいつの間にか、「編集された世界」に慣れてしまうのです。マスコミとは何か。それは現実の鏡ではなく、現実を都合よく切り取るレンズなのかもしれません。そして、そのレンズを通して世界を見ることに慣れたとき、私たちは本当の現実を見失うのではないでしょうか。
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