アキバのつぶやき
2026.01.09
アリよさらば!
組織の慣性が引き起こす「死の渦」、つまり不祥事の連鎖を止めるのは、ルールや管理の強化ではありません。むしろ、ルールを増やせば増やすほど、アリたちは「ルールを守ること」というフェロモンに縛られるのと同様に、ますます思考を停止させてしまいます。
では、リーダーはどうすればいいのか。それは、現場に対して「筋の良さ」を問い続ける、極めてアナログな対話に集約されると私は考えています。
デス・ミルを止めるリーダーの「3つの問い」、身も蓋もない言い方をすれば、不祥事が起きる現場では「商売としてのセンス」が霧散しています。そこにあるのは「計算」だけです。
リーダーが投げかけるべきは、その計算をストップさせ、個人のセンスを呼び起こすための問いです。
1. 「それは、人間として不自然ではないか?」データが綺麗に揃いすぎている、あるいは何年も全く同じ傾向が続いている。そんな時、リーダーは「素晴らしい成果だ」と褒める前に、「これ、ちょっと不自然じゃない?」と首を傾げる必要があります。 アリの列から離れる最初の一歩は、この「違和感」を言葉にすることです。合理的な計算(スキル)では導き出せない、「何かおかしい」という直感(センス)を組織に共有することが、偽造の温床となる「空気」を壊します。
2. 「もし今日、この業務をやめたら誰が困るのか?」慣性で動いている組織では、手段が目的化しています。「検査すること」自体が目的になり、その先の「安全」が忘れ去られています。 「この書類、本当に誰かの役に立ってる?」という問いをあえて投げかける。もし答えに窮するようなら、そこにはデス・ミルのフェロモンが溜まっています。目的を再定義する問いは、組織の硬直をほぐす特効薬になります。
3. 「その仕事、自分の子供に誇れるか?」最後は、究極の「美意識」の問題です。効率や利益といった「数字のロジック」から一度離れ、「それはカッコいい仕事か、ダサい仕事か」を問う。 捏造や改ざんは、例外なく「ダサい」行為です。リーダーが日常的に「商売の美学」を語り、ダサい行為を許さない姿勢を見せることで、社員は「フェロモンをなぞるだけのアリ」から、自らの意思で歩く「商売人」へと戻ることができるのです。