アキバのつぶやき

2025.11.24

新たなコンセプトを生み出す力が必要だ!

 スターバックスは「サードプレイス」、つまり自宅(ファーストプレイス)でも職場(セカンドプレイス)でもない、第三の居場所というコンセプトで成長してきました。

 この考え方は、単にコーヒーを飲むだけの場所ではなく、思考を深め、時間を味わい、ゆとりを得る空間を作り出すという、ブランドとしての存在理由を示していたのだと思います。

 しかし最近、駅構内の改札内にスタバが出店する例が増えています。ホームへ急ぐ乗客、乗り換えの喧騒、短い滞在時間。どう見ても「ゆったりと過ごす第三の場所」とは真逆の環境です。この矛盾をどう理解するか。

 これは、スタバの戦略が「居場所」から「移動中の体験」へとシフトしている兆しだと捉えています。
現代の生活は、在宅とリモートワークの普及により、「場所」という概念が大きく変わりました。もはや会社と家の境界線は曖昧で、私たちの仕事や生活は流動的になっています。すると、人が価値を感じる「場所」は必ずしも物理的な滞在時間の長さに依存しません。

 むしろ、移動の合間に、状態を切り替え、自分を整える短い時間こそが求められているのかもしれません。
駅ナカのスタバは、その「質の高い短い時間」を提供するための進化だと考えられます。

 ゆっくり座ることが第三の場所なら、駅ナカは「瞬間的な第三の場所」。数分のコーヒーブレイクが、次の行動のパフォーマンスを上げる。そこにこそ、ブランドとしての一貫性があります。

 本質は、長時間滞在できる空間ではなく、「気持ちを整える体験」なのだと思います。スタバは場所を売っているのではなく、状態の変化を売っている。だからこそ、駅ナカに展開しても矛盾しない。

 むしろ、生活が細切れになる時代において、第三の場所の再定義だと言えるのではないでしょうか。

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