アキバのつぶやき
2025.10.27
ヒッチハイクで目的地にいち早くたどり着くには?
過去に、ある企業の面接試験で、こんな質問が出たといいます。
「ヒッチハイクで目的地にいち早くたどり着くには?」
一見、雑談のような問いに思えますが、実は不動産ビジネスの核心を突いていると感じました。
多くの営業マンなら、「大きなボードを掲げる」「身なりを整える」「笑顔を絶やさない」など、目立つ・感じのいいアプローチを思いつくでしょう。しかし、それは“どうやって止まってもらうか”という方法論の話にすぎません。
ところが、次のように答えたとしたらどうでしょう。「目的地に向かう車を選びます」。
この一言は、経営や営業のエッセンスがあるように思います。どんなに愛想よく手を振っても、行き先の違う車に乗れば遠回りになります。つまり、努力の問題ではなく、「構造」、「方向性」の問題です。努力は嘘はつかないと処世訓でよく聞きますが、そこには「正しい努力」が、隠れています。
不動産営業でもまったく同じだと思います。
どんなに誠実で、どんなに頑張っても、そもそも「購入する気持ちのない顧客」、「売却する気持ちのない所有者様」や「自社の経営資源・営業の技量に合わない案件」に注力していては、成果につながりません。
限られた時間とエネルギーを、”行き先の合う顧客(=目的地の同じ車)”に集中させること。これが、成果を早く出すための、本当の近道だと思うのです。それこそが、見えない力のひとつである、”洞察力”が大切になります。
「ヒッチハイクで早く着く方法」を「どう立つか」「どうアピールするか」と考える人は多い。ですが、優れた営業は、「どの車が正しいか」を先に見抜く。
見極めの力こそ、スピードの源泉と思考するのでしょう。
そして、その車が見つかれば、どうすれば同乗させてもらえるかという戦術に移ります。それには、まず何をおいても、「私は善良な人間です、安心してください」という信頼構築が、一丁目一番地の戦術です。
そして、その車が見つかれば、どうすれば同乗させてもらえるかという戦術に移ります。それには、まず何をおいても、「私は善良な人間です、安心してください」という信頼構築が、一丁目一番地の戦術です。
さらに言えば、目的地の定義を間違えてはいけません。
“売ること”が目的になってしまえば、短期的には数字が立ちますが、信頼という長距離は走れません。“お客様の人生にとってベストな住まいを導くこと”が目的であるなら、車の選び方も変わってきます。
ヒッチハイクも不動産ビジネスも、結局は「どの方向に、誰と走るか」がポイントとなります。
営業の本質としては、足を速く多く動かすことではなく、正しい車に乗る洞察力・判断力にあるのではないかと最近強く感じます。