アキバのつぶやき
2025.10.18
早朝のウォーキングと金木星の香り
朝の空気には、理屈抜きの説得力がございます。特に、今の季節。秋の入口に差しかかるこの時期は、早朝のウォーキングをしていると、肌を撫でる風が「今日も動き出そう」と背中を押してくれる感じがします。しばらく暑さにカマかけて、ウォーキングをしていませんでした。ところが、三日前からなぜか、気分がウォーキングへと駆り立てました。そして、街路樹の間から漂ってくる金木犀の香りは、その背中をさらにそっと押す“追い風”のようなものです。
この香りには、妙に人を前向きにする力があると感じませんか?香水のように人工的ではなく、ふっと気づくと、どこからか漂ってきます。なんともその控えめな主張の仕方に、私はいつも“良い仕事”の本質を感じる。成果を誇るのではなく、空気のように場に溶け込みながら、確かに人の心に働きかけている感じです。
ビジネスの世界では「見える成果」が重視されます。しかし本当に価値を生むのは、数字では測れない“におい”のような部分です。信頼、雰囲気、安心感。それらは金木犀の香りと同じく、目には見えませんが、確かに存在し、人の心を動かします。
早朝のウォーキングは、自分の思考を整える最良の時間だとあらためて感じます。スマホも会議もない。世界がまだ目を覚ます前に、静かに自分と向き合える。その中で漂う金木犀の香りが、「急がなくてもいいぞ!」と語りかけてきます。スピードや効率を追うだけが前進ではない。しばし立ち止まり、考えることもまた、前に進むための重要な一歩なのです。
仕事でも人生でも、成果を急ぐあまり、「香りのない行動」をしていないだろうか。金木犀のように、控えめでありながら、確かに周囲に良い影響を与える存在。そんな“香りのある働き方”をしたいと思います。
ウォーキングを終えて振り返ると、金木犀の木が朝陽を受けて黄金色に光っていました。あの香りのように、静かに、しかし確実に誰かの一日を豊かにする、そんな仕事をしていきたい。