アキバのつぶやき

2025.10.03

どうすれば、他者の思考の癖を変えられるのか?

 「思考が変われば行動が変わる」これはよく耳にするフレーズです。ですが、「他人の思考を他人が変えることはできない」という現実を考えると、どこかナンセンスに響きます。では、この言葉はまるごと捨てていいのでしょうか?

 私は、ここに少し勘違いがあると思います。 まず、人は他人の思考を“直接”変えることはできません。これは誠にもって真実でしょう。説得しても、論破しても、頭ごなしに押し付けても、人は頑固に抵抗します。「人は自分が思った通りにしか動かない」。営業や組織マネジメントの現場では、これは日常茶飯事です。
 
 けれど、人は「何かのきっかけ」によって、自分の思考を「自発的」に変えることはあります。たとえば、新しい経験をする、別の視点を提示される、心を動かされるような物語を聞く。尊敬する憧れの人が示唆された。いわゆる、メンター効果ですね。そうした外的刺激を通じて「なるほど、そういう考え方もあるのか」と腑に落ちる瞬間が訪れます。
 
 つまり、他人ができるのは「思考を変えること」ではなく、「思考が変わる環境やきっかけを準備或いは用意すること」ではないでしょうか。不動産営業の現場でいうと、「この物件を買いましょう」と、アッピールして押すのではなく、「10年後にご家族がどんな暮らしをしていたいですか?」と問いかけることに近いかとおもいます。。問いや情報を相手に渡すことで、お客様自身が思考をめぐらせ、次の行動につながります。リーダーは教えるのではなく、気づきを与えることが大切だということにつながりますね。
 
 そうなりますと、このことわざを少し修正するなら、こうではないでしょうか。
「自分の思考が変われば、自分の行動は変わる」
 
 これは100%正しいものです。他人の思考を変えるのは困難ですが、自分の思考を変えることは、自覚さえあればいつでも可能です。この自覚を認識するのがまた一つの課題ではあるのですが・・・。

 何はさておき大切なのは、「思考は行動と態度の原因である」という因果の矢印を見失わないことです。そして他人に対しては、その思考変化の“触媒”に、自分がなれるかどうかが勝負だと思います。

 だから、思考が人生を創るという真理を強く心に抱き、謙虚に感謝一念で、仕事に従事していくことが、人生の肝となるのです。

コメント

コメントフォーム