アキバのつぶやき

2025.09.29

パーマン

 AIの話題を耳にするたびに、私は藤子・F・不二雄の「パーマン」を思い出します。特に「コピーロボット」の存在です。本物のパーマンが学校や日常生活に出かけている間、コピーが机に座って代わりを務める。外見も声もそっくりで、ぱっと見には本人と区別がつきません。この仕組みは、現代の働き方におけるAIの役割と驚くほど重なります。

 いま私たちが直面しているのは、AIという「仕事のコピー機」をどう使うかという問題です。メールの仕分け、資料作成、会議の議事録作成。これまで人間が多くの時間を費やしてきた作業を、AIが短時間でこなしてくれる。

 いわばコピーロボットが机に座って宿題を片づけてくれるようなものです。そのおかげで私たちは、本当に人間にしかできない仕事に時間を振り向けられるようになる。

 ただし、ここに落とし穴があります。パーマンの物語では、コピーロボットを使いこなせずにトラブルを起こす場面がよく描かれます。コピーは万能ではなく、あくまで「代理」に過ぎません。AIも同じです。便利だからといって全面的に任せきってしまうと、判断の主体を失いかねません。

 働き方改革が叫ばれる中で、AIに頼り過ぎれば「人間不在の効率化」になってしまう危険性があるのです。
むしろ大切なのは、AIを導入することで「働く意味」を再定義することです。人間が本当に価値を発揮できるのは、他者との関係を築く場面や、未踏の問題をどう解くかを考える場面です。

 コピーにはできない、人間ならではの創造や共感。それこそがAI時代における働き方の核心になります。
AIは現代のコピーロボット。便利で頼もしいけれど、それに依存するのではなく、活用することで「人間の仕事の本丸」を浮かび上がらせる。そう考えると、働き方の未来はもっと前向きに描けるのではないでしょうか。

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