アキバのつぶやき

2025.09.24

結果と成果の違い

 結果と成果。この二つはよく似た言葉ですが、実はまったく違うものを指しています。ビジネスの現場でも、この違いを取り違えると方向性を誤ってしまいます。

 「結果」とは、ある行動の直接的なアウトプットです。たとえば営業の月間契約件数やキャンペーンでの来店数。数字で測定でき、短期的に確認しやすいものです。写真のようにその瞬間を切り取った「点」の情報だといえます。

 一方で「成果」とは、その積み重ねによってもたらされる長期的な価値です。顧客からの信頼、リピート購入、紹介が生まれる仕組みの定着。これは時間をかけてしか見えてきません。成果はすぐに数値化できない場合も多く、むしろ「後から効いてくる」ものです。
 
 たとえば、営業担当が一度きりの契約を無理やり取りに行くと、短期的には数字という結果が出ます。しかし顧客体験を損ねてしまえば、長期的にその顧客は離れ、成果にはつながりません。逆に、短期的には件数が少なくても、顧客の課題を丁寧にヒアリングし、信頼関係を築いた担当者は、数年後に安定した取引や紹介という成果を手にする可能性が高いのです。
 
経営においても同じです。四半期決算での利益という結果を追うあまり、社員教育や新規事業への投資をおろそかにすると、将来の成果を失うリスクがあります。成果にこだわる経営は、結果を一喜一憂せず、時間を味方につけながら価値を積み重ねていく姿勢なのです。

 結果と成果は、信用と信頼の違いに似ています。結果主義とは表現せず成果主義といい、信用関係ではなく、信頼関係がしっくりと肚落ちします。ということは、判定時間をどこに置くかによって、関係という言葉に意味がもたらさせるのではないでしょうか。
 
 つまり、結果は「点」であり、成果は「線」。点が集まって線になるのですが、線の美しさや強さを決めるのは、そのつなぎ方にあります。成果を意識すれば、日々の結果は単なる数字ではなく、未来につながる布石に変わると信じています。一つ一つの行動の結果を、自分なりに解釈することを怠りなく、日々内省し、明日へつなげていくことが、積もり積もって、人生となるのでしょうね。
 

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