アキバのつぶやき

2025.09.11

学歴詐称問題に感じる「問いの質」

 静岡県伊東市の市長による学歴詐称疑惑と、それに端を発した市議会解散。この出来事をニュースとして消費してしまえば「不祥事の一つ」で終わります。しかし、そこで思考を止めずに「問いの質」を上げることが、本当の学びになるのではないでしょうか。

 第一の問いは、「信頼はどこに立脚するのか」という点です。学歴は、ある意味で社会が付与した「信頼のショートカット」です。しかし、実際の資質や行動が伴わなければ空虚な看板に過ぎません。では、信頼を担保する本質的な基準は何なのか。
 
 第二の問いは、「学歴への過剰な依存はなぜ続くのか」という問題です。社会は依然として学歴を価値判断の軸に据えています。これは本人にとっては誘惑となり、市民にとっては先入観を強化する仕組みです。この構造を変えない限り、同様の問題は繰り返されるでしょう。
 第三の問いは、「失われた信頼をどう取り戻すか」という点です。解散という制度上の手段は、一つのリセットにはなりますが、それが信頼の回復に直結するわけではありません。市民と行政が対話を通じて再び関係を紡ぐには、何が必要なのか。
 
 こうした問いを積み重ねていくと、この事件は単なるスキャンダルではなく、社会全体に向けられた「問いの鏡」であることが見えてきます。問いの質を高めることで、政治や行政を「他人事」ではなく「自分事」として考える視座が生まれるのではないかとお思います。

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