アキバのつぶやき

2025.09.08

人間の年齢とは

 初老の域に達し、もうこれだけ生きてきたのかと、ふと思う時がございます。早いもんだなぁ!

 そんな時、本日の毎日新聞の「余録」が紹介していたジム・ヘンリー氏の物語に感動しました。それは、米コネティカット州に暮らしたヘンリー氏は、子どもの頃に読み書きを学ぶ機会がなく、漁師や大工として懸命に働き続けました。長年、家族にも秘密にしてきた識字能力の欠如を、妻の病気を機に打ち明けるに至ったといいます。

 しかし、彼の人生は90歳を過ぎてから、驚くべき変貌を遂げます。なんと90歳を過ぎてから孫の勧めにより字を学び始め、98歳という高齢で自伝小説「漁師の言葉で」を執筆し、世間の注目を集めたのです。彼は読み書きができるようになった時、「世界一豊かになったようだ」と感じたといいます。そしてさらに驚くべきことに、99歳で逝去する直前まで、2作目の執筆を続けていたというのです。

 ヘンリー氏の生涯は、私たちに学ぶこと、創造すること、そして表現することに、「遅すぎる」ということは決してないという、力強いメッセージを投げかけます。年齢を理由に可能性を諦めることなく、知的な好奇心と探求心、創造性を最期まで持ち続けた彼の姿は、私たち自身の内なる可能性が無限であることを教えてくれます。

 国際識字デーにちなむこの物語は、物質的な豊かさだけでなく、知的な活動と創造の喜びこそが、人生を真に豊かに彩る核心であると示唆するでしょう。

 私たちは、ジム・ヘンリー氏の生きざまから、人間の持つ潜在能力、特に創造性や知的好奇心に、年齢の制約はほとんど無意味であることを学ぶべきです。彼の物語は、すべての年代の人々に、新たな学びや創造への一歩を踏み出す勇気を与えてくれるのではないでしょうか。

 僅かでいいのです。もう年だからという常套句の言い訳をせずに、躊躇することなく新たな分野を開拓していきましょう。

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