アキバのつぶやき

2025.09.04

ITがつくる水平分業社会と不動産業

 社会の形は、かつて「縦型」でした。

 会社でいえば、上司が決め、部下が従う。情報は上に集まり、下には指示が降りてくるだけ。いわゆるトップダウン型、ピラミッド型です。ところが、インターネットの普及がこの構造を大きく揺さぶりました。情報は誰でも検索でき、比較でき、判断できるようになりました。こうして「横に並んで役割を分け合う」水平分業型の社会が広がってきました。

 不動産取引の場面も例外ではありません。昔は、不動産業者が物件情報を握り、お客さんはそれを受け入れるしかありませんでした。しかし今は、ポータルサイトを通じて自分で探せるし、AI査定で複数の業者を比べることもできます。

 相続手続きも同じです。司法書士、税理士、不動産会社、リフォーム業者、さらには行政やNPOまでがオンラインでつながり、それぞれの専門性を発揮して進められるようになりました。まさに横に広がるチーム戦です。

 もちろん注意も必要です。誰が最終的な責任を持つのか曖昧になったり、情報をどう理解すべきか迷うこともございます。さらに、情報を集める「場」を握る大手サイトが、新しい意味での権力を持つことも発生してきます。

 ですが、ITが切り開いた水平分業の流れは止まりません。みんなが役割を持ち寄り、必要に応じてつながる。
不動産の業界も、よりオープンで柔軟な時代に入っているのです。

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