アキバのつぶやき
2025.08.31
相続した不動産の売却方法は?
相続した不動産をどうするか――これは、多くの方が一度は直面する課題です。売却した方がいいのか、持ち続けた方がいいのか。誰にとっても「絶対の正解」が見つからないのは、不動産という存在が、単なる資産である以上に、家族の思い出や歴史を背負っているからでしょう。
AIの時代になって、不動産の相場や売却のシミュレーションは、以前よりずっと簡単に確認できるようになりました。たとえば「今売ればいくらになるのか」「税金はいくらかかるのか」といった合理的な答えは、AIが正確に示してくれます。けれど、それだけで心は決まりません。不動産には、合理的な価値と、心の中の価値とが同居しているからです。
相続した家に、幼い頃の記憶が詰まっている人もいれば、維持管理の負担に悩む人もいます。早く現金化して兄弟姉妹で公平に分け合うことが「正解」と感じる方もいれば、多少時間がかかっても「納得できる相手に引き渡したい」と考える方もいます。そのどれもが間違いではなく、それぞれの心に寄り添った選択なのです。
AIにできるのは、選択肢を広げ、判断を支えること。最終的に「どの答えを選ぶのか」は、家族の関係性や自分自身の納得感によって決まっていきます。
だからこそ、相続不動産の売却に唯一の正解はありません。正解は「外にあるもの」ではなく、自分自身と家族が「これでよかった」と思えるところに生まれてくるのだと思います。AIは道しるべ、そして舵を握るのは、私たち自身なのです。
そのお気持ちに寄り添ったサポートと提案を心掛けることが、私たち不動産事業を営む者の必須のスキルです。過去の売却事例を持論に持つことなく、一人一人のご相続人様と真摯に向き合って、ご納得いただくことを目指して、明日からも日々ささやかでよいので進化してかないといけませんね。