アキバのつぶやき

2025.08.02

居座る理由、そして問われる信頼の本質

 参議院選挙で3連敗中の石破茂首相。これだけ民意が明確に示されているにもかかわらず、政権の座にとどまり続ける姿勢には、正直、経営の観点から見ても違和感があります。


 企業であれば、株主総会で否決されれば経営陣は交代します。それが市場原理ですし、信任の可視化です。しかし政治の世界は少し事情が異なるようです。

 一方で、静岡県伊東市の田久保真紀市長にも学歴詐称の疑いが取り沙汰されています。疑惑があるなら潔く説明責任を果たすのが基本であり、それが組織の信頼を守る行動だと私は思います。しかし、それに背を向けて“居座る”という選択肢が取られるのは、何を守ろうとしているのか、市民目線では見えにくくなっています。
 

この2つの事例に共通するのは、「説明しないこと」ではなく、「説明できない状態にあること」なのかもしれません。説明責任というのは、法律上の義務である前に、信頼の設計図だと思っています。政治もビジネスも、信頼で成り立っています。顧客に対して、あるいは市民に対して、「なぜ自分がそこにいるのか」を語れないリーダーは、長期的に見て支持を失っていきます。

 日本社会では、「辞めること=責任を取ること」と見なされがちです。しかし、本当に大切なのは、辞める前に“語ること”なのではないでしょうか。自分の言葉で、自分の立場を説明し、それでもなお支持を得られるかどうかが、リーダーの器を測る試金石になるのだと思います。


 信頼とは、透明性と誠実さの上にしか築けません。政治の世界にも、企業経営と同じように「市場」があるとするなら、それは“有権者の目”という市場です。


 その市場は今、冷静にリーダーたちの行動を見つめています。

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