アキバのつぶやき
2025.07.13
昭和のなめ猫
ニュースで石破首相の「国民をなめるな」という発言を耳にしたとき、「首相、大丈夫ですか?」とつぶやきそうになると同時に、真剣な顔で強い言葉を投げかけるその姿に、「おお、言うねぇ!」と、内心うなずいたサラリーマンは、きっと少なくないはずです。
ですが、その「なめるな」という一言に、私の脳裏には昭和のキャラクターらが、よみがえりました。
そうです、「なめ猫」です。
そうです、「なめ猫」です。
80年代初頭、私が高校生だった頃、特攻服を着てリーゼントをキメた猫の写真が大流行していた。
「なめんなよ」という決めゼリフとともに、免許証風カードや下敷き、筆箱まで登場し、文房具売り場はなめ猫一色だった。猫がヤンキー姿で睨みをきかせているのに、妙にかわいくて、どこか憎めない。理屈じゃない、あれは一つの“空気”だった。
さて、令和の今、石破首相が「なめるな」と口にした。背景には政府への不信感や、緊張感の欠如を指摘する空気があるのだろう。組織に身を置く身としても、「なめられたら終わりだ」と思う場面は確かにある。部下に、取引先に、あるいは世間に。
なめられないためには、言動と姿勢に芯がなければいけない。
とはいえ、あの言葉を聞いて“なめ猫”を連想してしまうあたり、自分もまだまだ昭和が染みついているのかもしれない。真面目な政治の話と、猫の写真を結びつけるのは不謹慎だと怒られるかもしれないが、ちょっとくらい遊び心があってもいいじゃないか。人生も、仕事も、まじめ一辺倒では息が詰まります。
結局、「なめるな」というのは、立場や時代を超えて通じるメッセージなんだと思います。同年輩や少し上の真面目な大人を見て、昔はなめ猫の下敷きを持ってたかもしれないなんて想像しながら、お客様のお宅に向かうのでした。