アキバのつぶやき
2025.06.07
裏切り
長らく盟友関係にあったトランプ米大統領と実業家のイーロン・マスク氏が、急速に対立を深めています。一体、何が起きているのでしょうか?
対立の引き金となったのは、トランプ氏が推進する税制・歳出法案です。この法案は減税や支出削減、債務上限引き上げなどをまとめたものですが、マスク氏が「米国の破産」につながるとして批判したことから亀裂が露呈しました。
トランプ氏は、法案に反対するマスク氏に対し「クレイジー」「失望した」と激しく非難。マスク氏が経営するEV大手テスラの利益のために反対しているとし、政府補助金や契約を打ち切る可能性を示唆しました。
これに対しマスク氏は、自身は法案を見ていないとし「うそだ」と反論。「やってみろ」と応戦し、自身の宇宙開発企業スペースXの宇宙船「ドラゴン」の運行停止を開始するとまで言及しました。
ドラゴンはNASAと共同でISSへの輸送を担っており、停止すれば米国の宇宙事業に大打撃となります。
舌戦はさらにエスカレートし、マスク氏はトランプ関税を批判し、トランプ氏弾劾への賛同も示唆。X(旧ツイッター)で「(共和党、民主党とは異なる)第三の政党を設立するべき時か」と問いかけるアンケートを開始しました。さらに、「私がいなければトランプは選挙で負けていた」「恩知らずめ」と、トランプ氏を痛烈に非難しています。
背景には、マスク氏が推定3800億ドル超の資産を持つ世界一の大富豪であり、2024年大統領選ではトランプ氏に約2.9億ドルの献金をして勝利に貢献したという事実があります。この決裂を受けて、与党・共和党内には動揺が広がり、税制・歳出法案に賛成していた一部議員は修正を主張し始めています。これは、来年の中間選挙でマスク氏による落選運動の標的となることを恐れているためとみられています。
かつての盟友同士の激しい衝突は、今後の米政局に大きな影響を与える可能性があり、注視が必要です。人を信じるのと、人の行いを信じるのは別だよ!ということに尽きるのではないでしょうか。